ビタミンC(アスコルビン酸)は、もともと壊血病の治療成分として研究が進められてきました。
壊血病は長期間にわたりビタミンCを含む新鮮な野菜や果物を摂取できない状況で発症する病気で、大航海時代の船乗りに多くみられたことで知られています。
疲労倦怠感、歯肉出血、鼻出血などの症状が現れ、重症化すると命に関わる病気でした。
18世紀頃、柑橘類を摂取すると壊血病が改善することが判明し、20世紀になってビタミンCが発見され、合成する方法も開発されました。
壊血病は赤血球が壊れる病気ではなく、血管壁がもろくなることで出血しやすくなる疾患です。
ビタミンCは、血管や皮膚、骨、筋肉などの重要な構成成分であるコラーゲンの合成を促進する働きがあります。
これにより血管壁が丈夫になり、脳血管障害や心血管障害、動脈硬化の予防につながると考えられています。
また、皮膚や骨、筋肉の健康維持にも寄与し、結果として総合的なアンチエイジング効果も期待されます。
さらに皮膚におけるコラーゲン合成が促進されることで、肌のハリや弾力の維持につながります。
加えてビタミンCには、メラニン生成を抑制する作用があり、シミ・くすみの予防など美白・美肌効果が期待されます。
この他、ビタミンCには免疫機能の活性化や抗酸化作用があり、疲労回復に役立つとされています。
近年では、ビタミンCの抗がん作用についても研究が行われています。
がんの標準治療と併用することで、生活の質(QOL)の維持や、治療に伴う副作用の軽減に効果があるという報告があります。
これは、高濃度のビタミンCが体内で過酸化水素を産生し、がん細胞に選択的に作用すると考えられているためです。
ただし、高濃度ビタミンC点滴単独でがんを治療することは難しく、あくまで補助療法の位置づけとなります。
ここからは、当院で行っている高濃度ビタミンC点滴についてご説明します。
通常、経口摂取されるビタミンCは1kgで1,500円ほどと比較的安価で入手できます。
これでも美肌効果はあると思いますが、服用する量はせいぜいスプーン1杯ほど(2gくらい)で、吸収される量はさらに少なくなります。
大量に服用すると胃痛や吐き気などの消化器症状を起こすことがあり、また経口摂取したビタミンCは速やかに尿中へ排泄されます。
高濃度ビタミンC点滴では、25gの大量のビタミンCを直接血管内に注入するため、血中ビタミンC濃度も上昇し有効性が高くなります。
一般的な注射用ビタミンC製剤(500mg~2,000mg)には防腐剤が含まれていることが多く、25gも投与するとなると防腐剤の害を無視できなくなります。
当院で使用している高濃度ビタミンC点滴用製剤は、防腐剤を含まない専用製剤で、アイルランドのマイラン社製のものを点滴療法研究会を通じて正規に個人輸入しています。
薬剤は高価ではありますが、当院ではできる限り受けやすい価格設定となるよう配慮しております。
ご興味のある方は医師またはスタッフにご相談ください。